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平成24年9月議会 一般質問新田耕造オフィシャルウェブサイト

2012.10.14 category : 新着情報 一覧, 議会報告

平成24年9月県議会定例議会一般質問(質問日10月3日)通算19回目

新田耕造

歴史は繰り返すと言われます。日本の明治維新の頃からの中国の歴史を振り返りますとアヘン戦争に始まり、太平天国の乱、義和団事件、孫文の辛亥革命、清朝の終焉、中華民国成立、各地での軍閥政治、一説によると1千万人の難民、500万人の餓死者、2000万人の死傷者といわれる国共内戦、中華人民共和国成立、などありました。

これらの統治の混乱は古くからの易姓革命思想すなわち「天子は天命により定まりその天子の徳がなくなると別の者に天命は移る」すこし乱暴な言い方になりますが「勝った者勝ち」、実力、武力さえあれば誰でも「天命が我に降りたといえば」トップなれるという易姓革命の考えにあるように思います。ここが我が国のように天皇という「伝統と文化の象徴」を戴き、時の権力者といえどもその権威によって国を統治するという国柄とは違うと思うのであります。

さて、最近の尖閣問題での反日の動きを見ていますと義和団事件を思い出します。1900年清朝末期、義和団は扶清滅洋(清を扶〔たす〕け洋を滅すべし)、を掲げ生活に苦しむ農民を集めて起こした排外運動で、各地で外国人やキリスト教会を襲いました。当時の最高権力者である西太后をはじめとする排外派も欧米列国の進出に苦々しく思っており、この反乱を黙認し、遂には清が欧米列国に宣戦布告し、国家間戦争となった事件です。

今、上海の高速道路は世界のスポーツカーの展示場といわれるほど高級車が溢れています、一方、大学を出ても就職口もなく、アリ族やねずみ族といわれる低所得者層が存在します。この民衆の鬱積した気持ちを外に向けさせ国内の不満のガス抜きをするという古典的政治手法が今回見えます。そうしないと貧富の格差、蔓延する汚職など中国共産党の統治の正当性が疑われかねないと危機感を感じているのでしょう、共産党の崩壊により「民族主義、民族自決」の火の手が上がり、ソ連邦の崩壊、ユーゴスラビアの解体などの先例を最も恐れているのでしょう。しかし、いずれ火の粉は自らにもかかるはずです。

さて、また読書の話です。今回は草原克豪(かつひで)著、(元文部官僚、拓大副学長、新渡戸研究者)「新渡戸稲造 1862-1933われ太平洋の橋とならん」を読みました。新渡戸稲造、昭和51(1981)年から平成16(2004)年まで5千円札の肖像に使われていました。夫人はアメリカ人であり、夫婦とも敬虔な平和主義のクエーカー教徒であります。彼は1862年、三代にわたり十和田の開拓を行った盛岡藩士新渡戸十次郎の三男として生まれ、札幌農学校に二期生として入学、同期生は内村鑑三などがいた。米国、ジョンズ・ホプキンズ大学、ドイツ、ボン大学、ベルリン大学に学び、札幌農学校教授、京都帝大教授、東京帝大教授、拓殖大学学監、国際連盟初代事務局次長7年、貴族院議員、女子教育へ関心も高く東京女子大学初代学長、津田梅子(津田塾大学創設者)、河井道(恵泉女学園創設者)らと親交が深く。国際連盟時代にはアインシュタイン、キューリー夫人とも親交がありました。

この本の「まえがき」で「1933年(昭和8年)カナダのバンフで民間の国際組織である太平洋問題調査会の第5回太平洋会議が開催された。日本代表団の団長を務めた新渡戸稲造は開会晩餐会において演説を行い「列強のブロック経済化が進んでいくと、そこから起こる紛争から人類にとっての大災害が引き起こされる」と述べ世界に警鐘を鳴らした。あたかもその後の第二次世界大戦を予言した様でした。彼こそ当時国内外でもっとも知名度の高い日本人であった。新渡戸といえば今日ではもっぱら英文の名著「武士道」の著者として知られています。だがそれは彼の多岐にわたる活動の一部にすぎません。大きく分ければ教育、植民学、国際理解・平和という三つの分野になり。戦前の日本を代表する第一級の教養人であり真の国際人でありました。

今日の我々は戦前の歴史をすべて日本が悪いという東京裁判史観で教えられてきました。しかし、現代の常識だけで過去を判断してはなりませんし、当時の人々の生き様や苦悩が理解できません。そこでこの本からこの戦前を代表する第一級の国際人がどんなことを考えていたのか、特に中国問題にしぼりご紹介したいと思います。念のためですが、彼は先の1933年10月バンフでの講演の直後逝去されております。平和を望んだ新渡戸の願いとは逆に、その後日本は戦争へと進んでいきました。

彼は満州事変の直後、1932年政府の依頼で対日感情の悪化を回避すべく、講演のため渡米しました。米国での講演旅行中、カリフォルニア大学で20回の講義を行っています。

その中で満州問題については、

一、支那大陸は無政府状態にあり清朝の崩壊後は国際法の通用する世界ではなくなっている。生命財産の安全すら守れない混沌とした状態で、略奪や挑発行為が頻発している。アメリカ人はこの点をよく理解していない。米国人は中国の宣伝に惑わされている。支那人は宣伝が最も得手であり日本人は最も不得手であり、中国人の事実を無視した宣伝の最たるものがいわゆる田中上奏文である。田中義一首相が天皇に上奏したとされる文章で、中国人による捏造文だが、執拗に国際連盟で持ち出して日本批判をした。中国は同じ主張を繰り返すことで日本の不当性を印象づける宣伝効果をねらった。

二、紛争の真因はさまざまな規約や規定の下に確立され、世界の全列強諸国が承認した日本の満州における条約権益を中国が否認しようとしているところにある。この試みを遂行するために中国人は、日本人居住者を困らせたり、日本人の事業を妨害したり、できることはなんでもやりたかった。攻撃をしかけたのは手におえない個人や集団であったかもしれないが、中国政府や国民党はそういう加害者たちを抑えようとはせず、扇動したりさえした、時には奨励したり援助を与えたりしている。日本人の住民の数が少ない町や村では彼らに対してあらゆる種類の侮辱と暴力が加えられている。直接行動をうまくかけられない場所では事実無根の非難の言葉をビラやポスターに書き連ね、正当な仕事に従事している日本人に反対するよう中国人民の狂気と暴力を煽り立てている。

また対華21か条の要求について「そのうちのいくつかは全く的を得たものであり、その中の最悪のものは要求として出されたのではなく交渉の基礎として提案されたものだったとし、たしかに中国にとっては不快なものだったし、日本においてさえ厳しい批判を受けた。これらは若い中国によって利用された。中国は国内で憤激の「大嵐をまき起し、アメリカの友好感情に訴えて、また無数の雇人を使って事態を実情以上に悪く見させた。一方で日中間の疎隔、他方で日米間の離間はきわめて完全な形で成就された」と講演しております。

今回この本を読んでつくづく感じるのは「歴史は繰り返す」ということです。80年前の日本人が感じた中国。いま我々が感じている中国。「国連での口汚い非難」「悪いのは日本」「尖閣は中国の固有領土」「沖縄は中国」などの発言やプラカード、何かどこかが似ています。これらの行為は日中両国民の愛国心に火をつけており、末恐ろしい気がいたします。我々は歴史に学び、不幸な戦争への道を歩んではなりません。力を付けた中国とはまず一国で当たるのではなく日米同盟を基軸とした仲間作りをしてこの難しい隣人と冷静に付き合っていかなければならないと確信するものであります。

 

質問の第1点目は、上海観光祭への出展中止に対する損害賠償を求めることについてであります。

 

上海で先月15日から開催されている「2012年上海観光祭」に出展するために、県が約350万円を掛けて花車を製作したようでありますが、主催者側からの連絡で出展の中止を余儀なくされました。県のHPでは、上海市旅遊(りょゆう)節(せつ)組織委員会より、「今の日中両国政治情勢を考慮した上、当委員会で検討した結果、香川県花車の旅遊(りょゆう)節(せつ)パレード参加を見合わせていただくと共に、深く残念の意を表します。」との連絡があったとあります。

花車の制作費のうち、その一部は既に支払われているとのことですが、私は、相手側からの一方的な通告により出展できなくなったのであれば、その損害賠償を求めるべきだと考えます。逆の立場なら、賠償をしなければならないケースです。これは国際ルールであります。何もしないという不作為の実績を絶対に作ってはいけないのであります。

そこで、県民の税金が無駄にならないよう、主張すべきことははっきりと相手側に主張していく毅然とした対応が必要だと考えますが、今後どう対処していくつもりなのか、知事に質問します。

 

質問の第2点目は、高松空港ビル機能充実事業についてであります。

 

今回の補正予算案で高松空港ビル機能充実事業の予算(約3億円)が計上されておりますが、これは、昨年の11月補正で議決された予算(約5億円)の追加分ということであります。

今議会冒頭の提案理由説明で知事は、「今後の新規路線の誘致や新たな航空会社の乗入れを円滑に進めていくためには、当初想定していた以上に施設能力や利便性の面で空港機能を充実させることが必要と見込まれたため、工事内容を見直し、所要の経費を負担しようとするもの」と説明されました。が、1年も経たないうちに、当初議決した額の1.5倍以上になるような計画の変更を行うのは、民間なら起案者の責任問題になる話と思います。一体、去年の議決は何だったのかと言いたくなります。例えば、個人住宅を当初1,000万円で改築の予定だったものが、実際に工事にかかると1,500万円に増えたらどう感じるでしょうか。

私は、提案理由説明の中にこうした親方日の丸の青天井的仕事のやり方に対し少しは反省の言葉があってもよかったと思っております。これに関し知事はどう考えられているのか質問します。私が議員になったのはこういう事をチェックするためです。

 

質問の第3点目は、県職員連合労働組合の庁舎使用料についてであります。

 

本年2月定例会の一般質問で、県職員連合労働組合の庁舎使用料の取り扱いについて質問したところ、知事から、使用料については、無償としているが、光熱水費等の管理諸経費を徴収している旨の答弁がありました。

光熱水費等の管理諸経費を徴収することは、当然のことだと思います。が、私は、庁舎使用料についても、「李下に冠」で徴収すべきではないかと考えます。

職員数や平均給料などから組合のフトコロを計算すると、年間おおよそ2億円程度の収入になるのではないかと推測されます。これは相当な額です。こういう組合に、県が庁舎使用料を徴収しないということは、明らかな特定組合への便宜供与であると思います。

また、県内の市町でも庁舎使用料が無償のところが多いようでありますが、これは県に準じて、そうしているのではないかと推察されます。

そこで、まずは、県が率先して、庁舎使用料を徴収する方向に舵を切るつもりはないのか、知事に質問します。

 

質問の第4点目は、香川県青少年保護育成条例の適用強化についてであります。

 

深夜、コンビニの前でたむろしている未成年者らしき若者の集団をよく見かけます。また、夜中にバイクで暴走行為を繰り返す少年たちも後を絶ちません。

香川県青少年保護育成条例第15条第1項には「保護者は、午後11時から翌日午前4時までの間、その監護に係る青少年が外出する場合においては、保護者が自ら同行するか、又は成年者に嘱託して同行させるように注意しなければならない。」と規定されております。にもかかわらず、なぜ先ほどのような光景を目の当たりにするのでしょうか。多くの県民はこの条例の規定を知らないか、何の罰則も無いため、守らなくてよいと思っているか、これは、県民の義務であります。

私は、まずは、このような条例の規定があることを、県民、特に18歳未満の子供を持つ親たちに広く知らしめることが必要ではないかと考えます。子どもの深夜の外出は一義的には親の責任であり、子どもだけで外出させない義務があるということを分かってもらわなければいけません。場合によっては保護者に対する罰則を設けることも検討しなければならないのではないかと考えます。

また、子どもたちに対しても、18歳未満は一人前として認められていないということを、家庭や学校できちんと教えていく必要があると思います。

何でも自由で自己責任の国、アメリカ合衆国でさえ、親が子どもを保護する義務が定められています。詳しい規定は各州によって異なるようですが、一般的に13歳未満の子どもを一人だけで家で留守番をさせたりすることは禁止されており、親への罰則もあります。

そこで、香川県青少年保護育成条例の適用強化にどう取り組んでいくのか、知事に質問します。

 

質問の第5点目は、本県に愛着を持つ教育についてであります。

 

国際化、グローバル化が急速に進展する中で、本県の子どもたちが豊かな人間性を育み、社会の一員としての自覚を養うためには、まず身近な自然や歴史、文化に親しむことで、郷土を愛し、大切にする心を育てることが重要であります。

私も委員会の現地視察などで県内の各地に参りますが、こんな小さな県にも、本当にいろんなものがあるんだなと気付かされます。自分自身の勉強不足を恥じるとともに、多くの人がそれらを守り伝えるための努力をされていることに本当に頭が下がります。

県教育委員会では、平成17年度に「ふるさと香川」を配付し、ふるさと教育の推進に努めているところであると聞いておりますが、教室での学習だけでは、実感という点でどうしても物足りない部分があるのではないでしょうか。百聞は一見に如かず、現地で体験しながら学ぶことで、郷土に対する愛着と誇り、強いアイデンティティも生まれ、香川県について尋ねられた時にも、本県のすばらしさについて、自分の体験に基づいてきちんとした説明ができるようになるのではないでしょうか。

そこで、県内の史跡・名勝への遠足なども含め、子どもたちが、本県に愛着を持つための教育にどのように取り組んでいくのか、教育長に質問します。

 

質問の第6点目は、中讃地区の警察署の再編についてであります。

 

私は、初めてこの場に立った平成19年9月定例会を皮切りに、過去8回にわたり、一般質問で、中讃地区の免許更新施設の必要性について、質問をさせていただきました。そして、皆様のご尽力もあり、ようやく本年2月定例会での花崎議員による我が党の代表質問に対し、知事及び警察本部長から、「中讃地区の警察署の再編の機会に、再編後の現善通寺警察署庁舎において、高齢者等を対象とする運転免許更新業務を実施することができるよう取り組む」との表明がなされたのであります。

現在、その前提とも言える、丸亀警察署と善通寺警察署の統合のための新しい警察署の整備が進められておりますが、中讃地区においては、昨今の交通死亡事故や重要犯罪の発生状況等から治安状況が順調に回復しているとは思えないことから、安全・安心の確保のため、この統合警察署整備事業そのものについても早急に実施する必要があると考えます。今年度の当初予算には、4,300万円余の実施設計費等が計上されており、予定では、今年度中に実施設計を終え、来年度から建設工事に着手し、平成27年の供用開始を目指すとのことであります。言い換えれば、新たな警察署が整備され、また、中讃地区の住民が地元で免許更新手続ができるようになるまで、どんなに早くてもあと2年半位はかかるということになります。

そこで、まず、中讃地区における交通事故や犯罪の発生状況等の治安状況について、警察本部長にお聞きします。また、現在実施中の「新丸亀警察署(仮称)整備事業」の進捗状況と中讃地区の免許更新施設の設置時期の見通しについても、併せて質問します。

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