平成22年2月県議会定例会一般質問新田耕造オフィシャルウェブサイト
平成22年2月県議会定例会一般質問(質問日:平成22年3月19日)通算11回目
民主党政権の政治も半年になりました。今日、民主党生方副幹事長の解任騒ぎもありました。
この政権の特色は都合の悪いことは何でも他人のせいにし、権利は声高に主張し、義務は放棄するという戦後教育の欠陥の申し子のような有様であります。
マックス・ウエーバーはその著書「職業としての政治」の中で「国家とは実力行使の「権利」の唯一の源泉である」と述べ、「国家は正当な暴力行使という手段に支えられた人間の人間に対する支配関係である」とも言っている。誤解を恐れずにいえば「権力」は「暴力」ともいえます
そうであるならその行使は慎重の上にも慎重でなければなりません。恣意的であってもなりません。
振り返りますとわが自民党は権力行使にあたってはこのことを踏まえ小心でありました。
一方民主党は”これ見よがし”に「政権交代の金看板」で権力をブンブン振り回しているようで、まことに品のない権力者といえます。
さらにもっと問題なのは政治家を行政府に多数送り込む「政府と党の一体化」は、司法・立法・行政の三権がお互いをけん制しあい、均衡を保ち、権力の暴走を防ぐという三権分立の考え方の基本を踏み外した考えであり、独裁権力への途であります。これは危険な途であります。
その上、この政権の中枢の規範意識、遵法意識の低さにはあきれます。
鳩山総理の脱税、偽装献金、小沢幹事長の虚偽報告と政治団体の不明朗な土地取引、輿石参議院議員会長の農地法違反。小林衆議院の選挙違反、北海道教職員組合の選挙違反、違法献金問題。
政策面でも迷走しています。 普天間基地、外国人地方参政権、夫婦別姓、駐留なき安保が透けて見える国の安全保障問題、拡大する財政赤字、地域主権と内海ダム問題。公務員の人件費2割カット、いったいどうするのか
「控除から給付」というと耳障りはいいがその実は選挙対策のバラマキの政策が目白押しであります。政党が政策と称して無差別にお金をばらまけば際限のない世界になります。これを公的買収として多数決ではなく三分の二採決にするか禁止すべきと思います。政党は悪いことをしないという政党性善説をすて政党の禁止行為を規定すべき時期にきています。
また、2・3日前の新聞には光回線の敷設会社を作ることも検討中のようですが何のための電電公社の民営化だったのか。民主党の政策が日本社会の劣化を加速させているように思えます。
さて民主党がお手本にするイギリスはかつてアトリーから始まる労働党の下、「ゆりかごから墓場まで」と言われる社会保障の充実した社会をつくりました。しかし、医療・年金・失業手当など充実した社会保障と最高税率83%の所得税は勤労意欲の低下を招き、石炭、電力、ガス、鉄鋼等々の基幹産業の国有化は国際競争力を失わせました。また、強い労働組合のもとストの多発はさらなる経済と社会の停滞を招き、なお一層の財政が悪化しました。民主党政権はこういう社会を目指しているのでしょうか
さて話を日本に戻します。我々日本人の持っている意識、伝統、ものの考え方、言い換えれば文化は短期日で出来上がった訳ではないと思います。また、幕末には世界一の識字率であったことと相まって明治以後の発展の礎になったように思われます。
言い換えれば今日の繁栄の基礎を作ったものは江戸、明治、大正、昭和と続いた教育に有るように思えてなりません。
文明開化後の明治の教育とはいったいどういうものだったのか、その一つの鍵が福沢諭吉の「学問のすすめ」であります。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という有名なことばで始まり、人の世は賢愚、貧富など格差がある。それはただそのひとに学問をしたかどうかによって決まったものであり天が定めたものではない。と学問を奨励したものでありました。
全体で17のテーマがあり、「独立の気風をいかに育てるか」「法律の貴さを論じる」「国民は商社の経営者であり社員でもある」「今川義元とナポレオン三世の「部下」の違いは独立心、愛国心の差」など当時の世相を背景に斬新な提言集でありました。
蟻は日々の食物を得るだけでなく、冬に備えて穴を掘り巣を作り食糧を蓄えている。
男子が成人し、職を得て独立し、さらには家を建て、結婚もし、子も生まれ一通りの教育も受けさせた。多少の貯金もできた。自分はこれで独立の生活を得たと満足する。世間もあの人は立派な人だと評価し、本人も得意になったとする。しかし、わたしは立派な人物だとは評価しない。この人は単に蟻と同じ事をしただけで蟻以上ではない。人間として、人間が天から授かった資質にはより高い務めを果たす力がある。社会の一員としてその立場を自覚し、社会の発展に尽くさねばならないのだと教えています。
当時、この本は70万部売れたと福沢本人が言っています。当時の人口が3000万人と考えると、現在の人口割合だと280万部という大ベストセラーであったといえます。当時の常識になっていたと考えられます。明治の人々がこの本を理解し啓蒙され明治という時代を生き、大正、昭和へとつないできた歴史の重みを感じるのであります。西欧列強の進出に対抗する「独立の気概と意欲」を明治の国民に見る思いが致します。今我々に必要なのはこういう明治の精神ではないでしょうか
今朝、散歩中、バイクで通りかかった人が私の側に来て、「子供手当はあまったお金でするなら理解できるが、借金でするなら、その返済はいずれその子供達が払わされる。選挙目当てでバカなことをするものだ。国民をバカにしている」ということでした。全くの市井の人の言葉です。
知事、今年度予算のあたり前年プラス予算は評価します。昨年も不況のときはプラス予算を組むべきだといいました。一年遅かったとも思います。
質問の第1点目は、中讃地区の運転免許更新手続についてであります。
中讃地区の運転免許更新手続について、私は、多度津交番の施設を活用した中讃地区運転免許センターの整備や、それが出来ないなら各警察署で更新手続ができるような体制整備をしてはどうかという質問をこれまでに何度もさせていただきました。そして、今年度の11月定例会では、今後整備を進める中讃地区の拠点警察署に運転免許更新のセンターを整備してはどうかと質問いたしました。
これに関して、今定例会に提案された平成22年度当初予算案では、「中讃地区拠点警察署整備調査事業」が計上されております。私は、先の総務委員会で、この調査事業に中讃地区の運転免許更新に関する経費が含まれているかと質しました。これに対して、警察本部の答弁は、運転免許関係の調査費は含まれていないが検討はしていくということでありました。
私が以前から何度も申し上げておりますとおり、中讃地区の住民は、運転免許の更新手続のために高松の運転免許センターまで行くことにとても不便を感じております。県内の運転免許保有者数は、東讃地区が約7万7千人、約11%、西讃地区が約9万4千人、約14%で、東讃地区には免許センターがあり、西讃地区では地元警察署で更新手続ができます。一方、中讃地区は、約13万4千人、約20%の運転免許保有者がいるにもかかわらず、更新手続に高松まで行かなければならないのです。中讃地区の住民は、中讃地区内で運転免許の更新手続を行えるようになることを強く望んでおり、新知事にも強く要望する所存です。
警察署の統合は、限られた警察力を有効かつ効率的に運用できるようにするもので、その必要性は理解できますが、今まで近くにあった警察署がなくなるという不便を住民に強いることでもあります。そうであるならば、住民に対しても統合の果実を目に見える形で示してほしいのであります。それが、身近なところで運転免許更新手続をできるようにすることであります。また、最小限更新手続ができればいいのであって、未利用県有施設の活用などにより、コストを相当絞ることも可能だと、私は考えます。
そこで、中讃地区の運転免許更新手続の今後のあり方について、どのように考えているのか、警察本部長の答弁を求めます。
質問の第2点目は、農業者戸別所得補償制度の導入について。
農業者戸別所得補償制度モデル対策については、現在、農業者への説明が進んでいるようですが、未だに制度がよく分からない、また、説明を聞くにつれ、この制度が複雑で分かりにくい、あるいは、一体何を作ったらいいのか、米粉用米の単価が高いと言うが販売先はあるのかなど、農業者の戸惑いの声を耳にします。本制度はネーミングが悪いように思います。いっそ「農業者定額給付金」と変えれば理解し易いと思います。「戸別所得補償」などというので分かりにくいのだと思います。
モデル対策とは言え、制度が実施される以上、本県の農業者に混乱が起こらないようにしなければなりません。農業者がよく理解できるよう、制度の周知徹底を図るとともに、円滑に運用されるよう、県としても、市町や農業者等に対して、現場の状況に則した指導・助言を行っていく必要があると考えます。
また、国の資料によると、現場に一番近い市町等の役割として、加入申請書の作成指導やデータの入力、作付状況の現地確認等を行わなければなりません。これは市町段階の業務でありますが、限られた人員の中で、どういう体制で、具体的にどのように行えばよいのか、市町等も困惑しているのではないかと思われます。県としても、市町等が現地確認等の事務に困らないように支援する必要があると考えます。
これらの点について、制度が実施されるに際し、県はどのように取り組んでいくのか、知事のご所見を求めます。
さらに、本制度は、これまで国や県が進めてきた「農地の集約化」や」「担い手農家の規模拡大」といった構造改革政策からの方向転換を意味すると思われますが、この政策によって、わが国や本県の農業がどうなっていくのか、どういう姿を目指しているのか、私には方向性が分かりません。休耕田をなくす一方で生産調整はするということで、計画経済色が強い政策ではないかと思います。
私は、わが国の農業が目指す姿としては、非常に難しいことではありますが、やはり、国際競争力のある、産業として自立できる農業ではないかと考えています。そのため、本県の農業振興には、引き続き集約化に向けた取組みが重要ではないかと考えます。いずれにせよ、経営規模が5反そこそこの本県の農家では、この制度に加入したからといって、農業で生計を立てていくことはできません。
そこで、戸別所得補償制度が実施されようとする中でも、本県農業の方向として、今後とも、農地の集約化や農業経営の規模拡大を図っていくことが必要と考えますが、知事の所見を求めます。
質問の第3点目は、高松空港の活性化についてであります。
改めて申し上げるまでもなく、高松空港は、本県にとっての貴重な交通インフラであり、その機能強化や利便性の向上によって利用促進を図り、地域経済の活性化などにつなげていかなければなりません。そのためには、国際線、国内線を合わせた航空ネットワークの更なる充実強化が重要であります。
先の自由民主党議員会平木議員の代表質問において、高松空港体制の存続対策や活性化への取組みについての質問がなされました。これに対し、知事は、国内線については、主力の東京線について増便を目指すとともに、一定の需要が見込める札幌や国内の主要国際空港との路線開設に積極的に取り組むと、また、国際線については、来年度から国際線充実強化対策事業として、これまで取り組んできた台湾線に加え、新たに中国線の開設や、ソウル線のダイヤ改善などに取り組むと答弁されたところであります。
高松空港の航空ネットワークの充実強化については、積極的に取り組んでほしいと考えます。3月11日、国内98カ所目となる茨城空港開港の現状を見るに付け、地方空港を取り巻く環境は大変厳しいと言わざるを得ません。地方空港間の生き残りをかけた競争が一層激化し、より戦略的で特色のある取組みが求められています。
そこで、私は、今後の航空ネットワークの拡大に係る戦略として、四国はもちろん、中四国あるいは西日本の他の空港では開設されておらず、発展の可能性を秘めた路線を選択すべきではないかと考えます。そうすれば利用者は相当広域から集まってくることが期待されます。また、国際線では、相手国からは、高松空港が日本へのゲートウエイとして位置づけられ、地域経済への波及効果が考えられるところであります。もちろん、どの航空路線を選択するかが重要であります。例えば、稀少資源を多く保有する地域、今後の経済発展が見込まれる地域、観光による交流が期待される地域など、アジアで云えば中央アジアの旧ソ連圏諸国、ヨーロッパで云えばバルト三国、あるいはアフリカ諸国などとの航路開設が有効ではないかと考えます。この選択がまさに知恵の見せどころであり、戦略であります。
このように、高松空港の航空ネットワークを考えるに当たっては、今後の経済交流等が期待される国や地域とのニッチだけれどオンリーワンの路線の開設を目指し、高松空港を利用する人を、県内からだけでなく、四国内はもちろん、もっと広い地域から集めることにより、高松空港の利用促進と地域経済への波及効果の拡大を図ってはどうかと考えますが、知事のご所見を求めます。
質問の第4点目は、政治資金規正法の適正な運用について。
国政は、「政治とカネ」の問題で揺れております。この問題がクローズアップされる度に、注目されるのが政治資金規正法であります。数度にわたり制度強化がなされました。しかし、制度の抜け道的なことが行われ、「政治とカネ」の問題が繰り返され、国民の政治不信が益々高まるという誠に憂慮すべき政治状況が今日鳩山、小沢氏周辺であります。我々政治家は、国民の政治に対する信頼を得るため、政治資金規正法に則り、政治資金の収支報告や政治資金の寄附の制限などについて適正に対処し、国民の政治不信を招かないように自らを律していかなければなりません。
政治を取り巻く環境が厳しくなる中、国政レベルだけではなく、地方政界においても、政治資金規正法の適正な運用がますます必要となっており、都道府県の選挙管理委員会の判断や対処の仕方が重要になってくると私は考えます。
そこで、選挙管理委員長にお伺いします。政治資金規正法の趣旨は、「透明性の確保と量的制限」をして、「お金持ちしか政治家に成れない」という社会を作ってはいけないということであると思いますが、資金管理団体の収支報告書について、「既に提出した報告書に誤りがあった」として訂正すれば、それが「どんなに不自然な内容」であっても、県選挙管理委員会は訂正を認めるのでしょうか。また、同法では、寄附の量的制限の規定により、個人が寄附できるのは政党に2,000万円、一人の政治家の資金管理団体に150万円、ただし、政治家本人が自身の資金管理団体に寄附する場合は1,000万円と、寄附をそれぞれ制限していますが、その限度額を超える多額の資金を政治家本人の資金管理団体に対して貸し付けることは、同法上、何ら問題はないということでいいのでしょうか。例えば、私が親族あるいは友人から莫大な資金の提供を受け、その提供された資金を自分の政治団体に貸し付け、政治団体は私からの借り入れ金として報告すれば、法の量的制限の問題は免れます。また、その親族や友人との貸借は、個人の間の貸借だから公にする必要はなく、いくらでも資金調達ができるという裏技があり得ると思います。地方政界でも起こり得るこうしたケースについて、県選挙管理委員会としてはどのような見解を持たれるのか、ご答弁をお願いします。
comment closed