平成21年11月県議会定例会一般質問新田耕造オフィシャルウェブサイト
平成21年11月県議会定例会一般質問(質問日:平成21年12月11日通算10回目
本年最後の一般質問に入らせていただきます。この機会を与えていただいた自民党議員会の皆様にあらためてお礼を申し上げます。有福議員、都筑議から現政権の政策矛盾点の詳しい指摘がありました。大山議員からは自民への提言がありました。ダブらないようにします。
最初に「日本列島は日本人だけの所有物ではない」と発言をされた鳩山総理に「日本列島は民主党だけの所有物ではない」と申し上げたい。
鳩山総理は誰かに似ていると感じていたのですが昨日判りました。近衛文麿です。細川元総理のお爺さんです。出は五摂家筆頭、近衛家の当主、東大、京大で学ぶ、25歳で貴族院議員、その二年後「英米本位の平和主義を排す」という論文を書く、革新的で民主的とされ、反英米主義者、大衆人気が大、しかしシナ事変時には高圧的で「国民政府を相手せず」と宣言して講和を閉ざしたり。大政翼賛会設立に動くなど、訳が分かりません。彼についての書かれたものを読んでいると「その立場にある者がその役割をはたさなければ国は滅びる」という教訓のような人です。似ています。危険です。
さて、私は毎日ワクワクしております。
民主党政権になり2010年度予算は、過去最大規模に膨らみ、国債発行額は増やさない、そのため無駄を洗い出して財源にするということですがどんな手品があるのか早く見たいものであります。
最近、日本は法治国家なのかと疑うような事柄が報じられています。細かなことは一々申し上げませんが、鳩山総理の脱税疑惑、政治資金規制法違反疑惑、公職選挙法違反疑惑、などであります。何故もっと身辺整理をしていないのか、不思議であります。一部のマスコミは自分の金だから良いではないかという暴論をはいていますが、見識を疑います。「スピード違反も急いでいたからと言えば許してもらえるのでしょうか、警察本部長」、非常識です。「李下に冠」一国の総理たる人は国民の範たらんとして頂きたいと思います。
最近「税金は気がついた時払えばよい」と思う人が増え、税務署員が困っているようです。モラルハザードです。報道によると政府税調は脱税の罰則強化を30年ぶりにするようですがその狙いは「鳩山さんだ」というブラックユーモアがあります。政治は結果責任です。手段が目的化してはなりません。いくら面白くても結果が悪ければ批判され責任を問われます。見せ物やショーはその場を楽しむもので終われば観客はいなくなり責任も生じません。楽しむだけの政治は時間の浪費です。政治はもっと厳粛なものです。時間との戦いでもあり、人命がかかわる時もあります。普天間の問題はそうした問題であります。
鳴り物入りで始まった事業仕分けの「目的は」、行政の無駄を省き財源を捻出し前政権の44兆円より公債を増やさずマニュフェストに書いた政策を実行するために行っている作業です。来年の概算要求予算額は95兆円です。そこからいくら減らし帳尻を合わせるかが問われています。東京裁判の軍事法廷を彷彿させる「事業仕分け」という「猫だまし」にだまされてはなりません。予算編成に関して景気の善し悪しなど言い訳は出来ません。まさに景気の舵取りも含めその責任を問われるのが政権であり与党だからです。
そういう意味では歴史に学ぶべきであります。80年前、もっとキッチリしていました。戦前、昭和4年7月成立した浜口雄幸内閣は井上準之介蔵相のもと田中義一前内閣がたてた同年度予算の17億7800万を一律執行留保し1億4800万円(8.3%)を縮減しました。続く昭和5年度予算も対前年比1億7000万円減(9.6%)16億800万円とした緊縮予算をたてました。ただし、そういう緊縮予算の中でも市町村義務教育費国庫負担金は1000万円増額し8500万としメリハリはつけました。また、浜口首相は自ら昼食を簡単な仕出し弁当とし、出張も二等車で食堂車にも行かず35銭の弁当ですませたという徹底ぶりでありました。国民の範たらんとする気概が伝わって参ります。今回の政権交代により様変わりが色々とありますが変わってはならないものの一つは上に立つ者の気概であります。「予算編成、普天間で忙しい12月にインドネシア、デンマークと行く暇がよくあるなー」と思うのは私一人でしょうか
さて、民主党政権、私は9月議会で「政党中心の政治体制の行き着くところ中国のように共産党が政府の上位にあり、すべての権限を党が掌握し、政府より党が絶対優位の政治システムだ」と申し上げました。
最近、議員立法の禁止、陳情の幹事長室一本化、議員連盟の一党化、超党派議員連盟の許可制、こういう党方針に民主党の議員は、疑問感じないのか不思議であります。
最近に至っては行政刷新会議はハトミミ.comというインターネットの密告窓口を設置いたしました。まるで江戸時代の5人組制度を連想させる陰湿な手法であります。次は言論統制でしょうが、言論の自由のないところに民主主義は有りません。
そこで民主党の議員の皆さんに次の言葉を送りたいと思います。
「よい議員が集まってよい政党を作ることは出来るが、よい政党がよい議員を作るとは限らない。党より議員」という私の恩師の言葉であります。
昨日、民主党の国会議員が140名以上参加した総勢600名以上の小沢訪中がテレビ報じられておりました。国会の会期延長を拒んだ理由はこれかと思いました。修学旅行かと疑いたくなる光景でした。巷は不況の嵐、年末に予算編成が出来るかどうかといわれている時期。総理はバリ島、幹事長は北京。すこし、世の中をバカにしていないかと怒りが沸いてまいります。
民主党には世の中に対する畏敬の念や哲学や宗教性が欠如しているようです。こういう政権や政党が長続きするはずはありません。それは歴史に照らせば明白であります。
そういう政権であればあるほど我々自民党議員は国民の犠牲を出来だけ少なくするよう一丸となって地方で踏ん張らなければならないと決意を新たにするものであります。
質問の第1点目は、知事自身の県政運営に対する評価についてであります。
真鍋知事は、平成10年9月に香川県知事に就任されて以来、11年が経ちました。
一般的に組織は、それが役所であろうと民間であろうと、トップの考えや姿勢を反映したものとなります。そういう意味では、知事就任後11年が経つ現在の県庁における組織の気風は、知事の考えや姿勢を反映したものでありましょう。
また、その県庁が推進してきた政策の積み重ねが現在のわが県の姿となっている訳ですから、現在の香川県の姿は、知事の考えや姿勢に大きく影響されているという事であります。知事という存在は、さながら江戸時代ならば松平の殿さまの様な存在であります。
さて、知事は色々な施策を策定し、県政運営に取り組んでこられたと承知しており大変な御苦労があったと想像できます。
しかしながら、県庁の内外で聞こえる声には、「知事は優秀で何事にもそつがないが、何か華がない、暗い県政だ」という声も聞きます。
そこで、知事は、国の官僚として中央でご活躍された後、郷土に帰って知事に就任されたわけですが、きっとそれまでのご経験も踏まえ、郷土香川をこうしたい、こう変えたい、という理想を持って知事に就任されたことと思います。3期目の任期も残すところ1年となりましたが、郷土香川に対してどのような理想を持たれて知事に就任されたのか、そして、知事として11年間、県勢の発展に取り組んでこられた結果が、現在の本県の姿でありますが、就任当時の理想と現在の本県の姿を比べて、この11年間の県政運営について、知事自身、どのように評価あるいは反省されているのかお伺いします。
質問の第2点目は、政策形成過程への議員の参加であります。
11月27日政府の行政刷新会議の事業仕分けグループが、作業を終えました。この初の試みとなった事業仕分けについて、予算決定のプロセスの透明性を高めるということで、評価すべき点はあります。一方で、わずか1時間程度で専門性の高い事業の評価ができるのかという疑問や政権としての成長戦略や国家戦略が見えないとか、お膳立てに財務省の影があるなど、そのやり方や判定内容への批判も聞かれるところであります。
あるジャーナリストの言葉を借りると、「手品師が舞台で、簡単な手品の種明かしをして、それを見て観客が拍手をしているようなもので、本当の手品は見せていない」と解説しています。
特に、私の危惧は事業仕分け人であります。今回の事業仕分け人は、国会議員のほかに、民間人が多数含まれております。事業仕分けは、政府としての結論ではなく、今後の財務省の予算編成の参考との位置付けですが、今後の予算編成に影響することは明かでしょう。こうした重要な事業仕分けについて、その人選の基準や正当性に疑問を感じております。
議会の発祥は、税金の使途をどうするかからはじまったと言っても過言でありません。
今回の国の事業仕分けを見ていて、事業仕分けを行うのであれば、正に選挙によって選ばれた議員が行うべき仕事であると考えます。この制度の無批判な礼賛は議会や議員の存在意義を問われているように思われます。
翻ってわが県議会に眼を向けると、政策決定過程をオープンにすることや執行部以外の視点、特に住民の視点から事業を組み立てることの重要性を改めて認識しました。私は、県会議員がもっと県の政策形成過程に参加し、住民の声を代表して事業に関与するとともに、その結果を住民に広報、説得するよう努めなければならないと考えるのであります。口も出すが責任も共有するという姿勢です。
我々議員や議会は、知事や県執行部の政策の追認機関ではありません。少子高齢化、人口減社会への変革期を迎えた中で地域住民の満足度の向上を図っていくためには、これまで以上に住民の皆さんの理解と協力がなければなりません。我々議員は、選挙によって住民の信任を得た代表であります。議員がこれまでのように印刷した、出来上がった予算書への賛否を表明するだけなく、住民が求める政策が何なのかを政策形成過程の早い段階から、協議する場を設けてはどうかと考えますが、知事のご所見を伺います。
質問の第3点目は、琴平の観光振興です。
11月29日、愛媛県の松山へ行ってまいりました。悔しいかな松山の街は、わが県都「高松」より元気だという印象を受けました。ちょうど同日から始まったNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」で、松山がスポットライトを浴び、観光地周辺は賑わっておりました。司馬遼太郎の書いた「坂の上の雲」、これが題材です。しかし、考えてみれば「松山」自体は小説全体からすればそれほど関係ない場所です。ただ正岡子規、秋山兄弟の故郷という関係だけでこれだけ盛り上げるのはどういう仕掛けかと興味を持ちました。 さて、香川に帰って、わが香川県にも道後や松山城に匹敵する観光地は無いものかと考えてみますと、香川県の地名より有名なところが有りました。それが金比羅さんです。最近は、土日には駐車場が一杯で、駐車渋滞ができると聞いております。金刀比羅宮には保元の乱で讃岐に流罪となった崇徳上皇は度々さんけい参詣され、亡くなれた後にはこんぴらさんに祀られおります。古くから、お伊勢参りと並んで庶民の一生の願いだった「こんぴら参り」。森の石松や高杉晋作も訪れたという場所であります。また、「こんぴら」の語源はサンスクリット語の「クンビーラ」が訛って「こんぴら」になったと言われております。
琴平の観光客は年間300万人で、四国で圧倒的です。一カ所でこれほどの集客地はありません。四国四県で年間50万人以上の観光客を集めたのは、香川では「栗林公園、さぬき子供の国、ニューレオマワールド」、愛媛県では「とべ動物園、道後温泉、松山城」、徳島県では「渦の道、文化の森総合公園」、高知県は年間50万人以上の所はありません。
県として、新しい観光地開発も大切ですが、この琴平という折角の遺産を生かさない道理はありません。県も、金刀比羅宮、こと琴おか陵やす容つぐ世宮司を県文化功労者として表彰するなど、その重要性は認識しているとは思いますが、もう一歩進め、香川県全体の宝として琴平を位置付けして、さらに来年の瀬戸内国際芸術祭と複眼的な視点にたって金比羅宮、町、県、ことでん、JR、地元県議などが連携して町全体の魅力を発掘し整備を進めることが我が県全体の活性化につながると思うのですが、この点に関して、知事のご所見を伺います。
質問の第4点目は、中讃地区運転免許センターの整備についてであります。
中讃地区の運転免許の更新手続について、多度津交番の施設を活用した中讃地区運転免許センターの整備や、それが出来ないなら各警察署で更新手続ができるような体制整備をという質問を何度もさせていただきました。これに対して、本年9月定例会では、警察本部長から、現在、警察本部内に「中讃地区警察機能等強化プロジェクトチーム」を設置し、拠点警察署の整備を中心とした警察機能強化について優先的に検討を進めており、その中で、中讃地区の運転免許行政のあり方等についても併せて検討している」との答弁をいただいたところであります。
今定例会で、「中讃地区における警察機能強化計画案」が提示されました。その中で、拠点警察署については、丸亀市、善通寺市及び多度津町を管轄し、高松南署と同等規模の約200人体制とすること、などの方針が示されたところであります。
私は、中讃地区における警察署の統合について反対するものではありません。しかし、警察は、本来、他部門と違いよりマンパワーに依存する組織であり、そのあり方を運用の効率だけで議論する組織ではないのであります。また、警察行政においては、犯罪を発生させないようにすることが最重要であり、警察署がそこにあるということが犯罪の抑制につながると思います。そういう意味で、警察署の統合は、地域住民にとってはマイナスであり、地域住民が必ずしも望むところではありません。多度津町という町、警察署が統合された町の経験から申し上げています。それでも、限られた警察力を有効かつ効率的に運用できるよう警察署を統合するのであれば、住民に対して統合のメリットを目に見える形で示してほしいのであります。くれぐれも毎日行わない射撃訓練場などの施設はいつも警察が我々に説明時に引用するように「狭く交通の便の良い我が県ですから」他所で出来ます。優先順位が逆転しないようお願します。
私が以前から申し上げておりますとおり、中讃地区の住民は、中讃地区内で運転免許の更新手続ができるようになることを強く望んでおります。そこで、住民に対する統合のメリットとして、統合される警察署の中に運転免許センターを整備することを、改めて強く提案いたします。運転免許センターを整備するとなれば、施設や資機材の整備等にコストがかかるのは理解しております。この点については、例えば、優良ドライバーの更新手続に限るとか、施設については、中讃地区内には、利用されていない県有施設が沢山あるので、これを活用するなど、警察本部だけではなく、県全体で検討すれば、コストを抑える知恵は出てくると思います。中讃地区に属する丸亀署、善通寺署、琴平署管内の運転免許保有者は合計約13万4千人で、県全体の約20%を占めています。機器の費用概算は即日交付で4,800万円程度、一人当たり350円程度です。これが高いか安いか、わたしは安いと思います。
そこで、中讃地区に運転免許更新のセンターを整備することについて、警察本部長のご所見を伺います。と同時に安心と安全は県民の誰もが望むところであります。この問題と密接に絡んだ警察署の統合問題。これは、行政のトップとして知事の姿勢にかかわる問題です。行政として住民の希望や満足感に資するよう応える姿勢が問われる問題であります。また、財源の問題でもあります。警察の問題だと矮小化せず、県の行政のトップとして知事に本件のご所見を伺います。
最後に一言申し上げます。本件に関してそれが入れられない予算案には賛成できません。あらかじめ申し上げておきます。
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